こもれび文庫

こもれび文庫

好きなひと eyecatch

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高校時代に好きな人がいた。一つ上の先輩だ。その人には文武両道という言葉がぴったりだ。生徒会長をしていたし、スポーツも、全国大会で入賞するような人だった。不正や悪...

声 eyecatch

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「声にしなければ伝わらない」とはよく言ったものだ。私もそう思っていた1人で、声がその人の思いの全てだと思っていた。私は大学1年生の頃、様々な学校に通う人が入居す...

なぜ人を殺してはいけないのか eyecatch

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15歳だったら、人を殺しても死刑にならないらしい。それを聞いてから、私は、あることをずっと図っていた。その人のこと、殺そうと。彼さえいなければ、こんなことになら...

わたし eyecatch

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点滅している青信号を渡ろうか渡らないか、いつも悩むよね。てか、なんで信号の色がみどりなのにみんな青信号って言っているの?今月はアルバイトを入れすぎたせいで、頭も...

死神 eyecatch

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死神は、多分いる。6歳の時、目の手術で1週間入院した。生まれつき重度の斜視で、手術しないと失明すると言われていた。全身麻酔でとてもつらくて怖い、一生したくない経...

ある計画 eyecatch

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「何月何日何時何分、放課後、Tに頼んでカニ公園に呼び出して殺す」自由帳に書かれたその文字を、私は知らない。昼休みになると、ひとりの男の子の机の周りに、クラスの男...

ふでばこ eyecatch

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人のものを、盗んではいけない。小学校に入学してすぐに、嫌いな女の子が1人できた。あゆかちゃんだ。彼女は、バレエをやっていた。廊下を歩くとき、いつもくるくる回って...

おしえご eyecatch

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「先生、久しぶり!」私には4回しか教えたことのない教え子がいる。4回しか教えたことがないのに目が合うたびにパッと笑顔が咲き、1年しか違わないのに私のことを「先生...

涙 eyecatch

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あ、限界だったんだ。頬を伝う生ぬるい液体が私にそう伝える。 小学4年生春。同じ日本人に囲まれ何不自由なくコミュニケーションができていた生活は、父の仕事の都合によ...

父 eyecatch

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わたしの父は犯罪者です。人を傷つけました。何度か窃盗を行いました。そんな自分に耐えられなかったのか、父は自ら命を絶ちました。とても真面目な人だったのです。窃盗も...